曲がり角の惑い言

曲がり角ランデブーの人で、演劇を創ったり、あれこれする。

8/5-8/24

8/5(火)
miel『す き と お り』@スタジオ空洞


短編作品をオムニバス形式で。
先日自分たちが上演したようだが、
実際には数名のキャストが作品ごとに
何名かで演じ分け、
合間にダンスやパフォーマンスを挟む。

 

スタジオ空洞のシンプルな空間に
白を基調とした舞台美術と衣装で
観ている側も心が軽くなるよう。

短編も、

糸井幸之介(FUKAIPRODUCE羽衣)
末原拓馬(おぼんろ)
戸山美咲(ミナモザ)
登米裕一(キリンバズウカ)
セガワアユム(MU)
米内山陽子(トリコ劇場/チタキヨ)

の豪華な劇作家陣提供のテキストを
達者な役者陣が演じる。

 

聾者の女性の妊娠と出産までの経緯を描き
モノローグと手話の使い方が良い「 」(米内山陽子)、

たばこの銘柄により各人の性向が分かれる
喫煙者たちのゆるい会話を描いた「好き通り」(ハセガワアユム)、
結婚できないお局女性社員の心情を綴った「隙のない女」(登米裕一)

特に良かった。

 

齋藤陽介(ホチキス)、辻貴大(カムヰヤッセン)ら
若いキャストも多いけれど面白く、しっかりと魅せてくれて見応えあり。
というか役者が全員良い。

こういうオムニバスをやってみたいな。


8/16(土)
KAKUTA『痕跡』@青山円形劇場

 

今年のベストに入りそうなほど、良かった。
円形劇場を活かしているし、
派手ではないけれど、照明で表現した雨が良かったな。
視覚的に単純に綺麗だったし。

事故にあった少年(レインコートを着ている)の描写も良かった。

各登場人物の台詞の中にタイトルと同じ音の「あとあと」
(意味は別で「後々」など)という言葉を自然と含ませる小気味よさ。

ストレートプレイだが笑いもあり、
終盤は大体シリアスに向いていくものだが、
その中でも、ふっと思わず笑ってしまうような場面があったりと
緩急のバランスが良い。

役者に関しては、逆にどこか悪いところがあるのかを
聞きたいくらいの演技で魅了された。

観た回ではちょっとしたハプニングがあったけれど、
それをも気に留めさせない良さがあった。

初めてKAKUTAを観たが、本当に素晴らしく、良い時間だった。

青山円形劇場は残して欲しい(いつかやりたい)
てか、こどもの城をなくすな!思い出が消える・・・。


・平原演劇祭2014第二部『朗読劇・秘密の花園』

 

ちあきーぬ(松岡千明)の小劇場として(?)ラストの
リーディングを観に東武動物公園へ。本人には内緒で。

しかし、遠い。東武スカイツリーラインなんて初めて乗ったし。

会場は東武動物公園の入り口より少し行った先にある池の上。
まさに池の上に浮かばした浮き橋の特設会場。
片側に体重を掛けっぱなしだと沈むような感じ。
雨も降ってたのでズブ濡れ。

さらにはみんな各々池に飛び込むわ、
池を泳いでいく、泳いでゴムボートを引っ張ってくる等々。

さらには東武動物公園のイベントで間近に上がる花火。
ものすごい轟音の中、続くリーディング(笑)

いろんな意味で面白かった。
唐十郎の戯曲は難しかったけど。

ちあきーぬの女優魂を観た。
これで小劇場から離れるのは残念だけど、これからも応援。

いつか自分の作品に出て欲しい。


8/17(日)
ズッキュン娘。『ダーリン!ダーリン!』@シアター風姿花伝

 

オール女優のラブコメディ。
ダブルキャストのBチームを観た。

足立くんという核になるキャラクターを登場させず、
観客の想像に任せるのは面白かった。
過去にも同様に登場しない人物を設定した演劇は何本か観たことがあり、
周囲の人物がどのように想起させるかが重要になる。
ベタ惚れの恋人であったり、亡き夫の面影を残す存在であったり、
単純にイケメンで憧れの的になっていたり。

どんな人物だろうかと想像するのが良いが、
男目線だとワクワク感が盛り上がりづらいか。

先日、犬と串のナンセンス世界で楽しませてくれた綾乃彩
ズッキュン娘。の作・演出も努める藤吉みわが安定感あった。
主人公の友人、とし子役のおおたさゆりが面白かったな。

個人的には熊谷有芳が個人的に眼福でした(笑)
少ないシーンでも物語を整理してくれるし、
普段はイケメンっぷりな格好良さが押されてしまうので
女優としての魅力を改めて確認できたのが良かった。


8/24(日)
コロブチカ『神と遊べば』@下北沢小劇場b1

 

イケメン女優、コロ主宰ユニットの
コロブチカの第5回公演で初の長編。

前回に観たのは、ぬいぐるみハンターの池亀三太脚本の
『Shooting Pain』だった。

今回は、まさに俳優の見本市。
主宰のコロ、ゲキバカ/梅棒の伊藤今人、ヤコウバスの港谷順、
西郷豊を始め、魅力的なキャストたちが27人。

彼らが、神々とそれにかかわる人間たちとの一騒動を描く。
ストーリーは以上のように場合によっては一言で言えるほど
単純明快かつテンポ良く進む。
逆にテンポ良すぎて、一気に飛ばして進むところもあったり。

所々で少年ジャンプ的世界観だと言われるが、
なるほど物語の下敷きがまさにドラ○ンボール。
キャラもあれがモデルかな?とか、
そのまんまやないか!というのも。

ただ大人数での群舞は圧巻。
もう少し広い舞台であればもっと縦横無尽にやれたかなとも思う。
が、そのカオスで猥雑な感じは良かった。
もっとダンスパフォーマンスのシーンが多くても良かったかも。

ただ今回のような舞台を二方向から観るタイプの客席は好き。
対面で向井側の観客と真正面で向き合うのでなく、
他の観客の表情がちらっと目に入るくらいが良いなと思った。

終盤で唯一のコロ登場シーン。
ふわっとした戯曲について語るみたいなコーナー?

要は見方によってテンポ良すぎて残ってしまう疑問に対して、
一旦、劇から離れてコロがお答えするというもの。

キャストが素に戻って質問を投げかけるが、
次第に前列の観客へ質問を促す方向へ。

ある意味戯曲の未完成を逆手にとったアイディアと言えば斬新。

ただ観客は聞きづらいのかなとも感じた。
たとえ疑問が明確にあったとしても
これから終盤のクライマックス前というところで
質問することで進行を妨げてしまう可能性もないこともない。

ラストは勢い任せで終わった感があるので、
芝居部分はもう少し練った方が良いのではと感じた。

ただ役者やキャラの特性の魅力は伝わってきたので、
そこを活かせたらというところ。

今回気になった役者さん→全員(笑)

あえて挙げるなら。

知っている方、観たことがある方。

伊藤今人(ゲキバカ・梅棒)
西郷豊
港谷順(劇団→ヤコウバス)
前園あかり
瑞帆
有田杏子

おそらく初めて観た方。

畠山智妃
林大樹
谷野まりえ(劇団PEOPLE PURPLE)
林直子(ひげ太夫)
豊田可奈子
的場司(Bob jack theater)
植草ゆりこ
高橋明日香(kitt)