曲がり角の惑い言

曲がり角ランデブーの人で、演劇を創ったり、あれこれする。

【終演御礼】team3E第5回本公演『フロントコールは0番へ』

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御礼

こんばんは。曲がり角ランデブーの人、

マガランこと真柄です。

とりあえず。

team3E第5回本公演『フロントコールは0番へ』

おかげさまで終演しました。

ご来場いただきました皆様、

気にかけていただきました皆様、

関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

本当にありがとうございました!

 

参加までの軌跡

 

昨年、自身初めての公演を打ったセミナーズは

まさに自主企画的なもので、

今回は初めて、お誘いの声をかけていただいて

参加した公演となりました。

声をかけてくれたのはteam3Eのコント作家で

戯曲セミナースタッフをされている梅咲ミヤビさん。

ちなみにteam3Eの前回公演では、

セミナー同期の伊藤悠子さんが同じように

戯曲提供で参加されていました。

今回、私は戯曲と演出も任せていただきました。

なんか自分でやりたかったんですね。他人事のように言いますけど(笑)

 

お話をいただいたのが年明け間もない時でした。

かなり光栄でわずかの間だけ逡巡して、受けることにしました。

わずかだけというのが少しポイントです。

一体何を迷ったのか?

今となってはもはや自分でも分かりません(笑)

ただ受けるとなってどうしようかと考えていて

その後に観覧舎の『回帰熱』という作品を観た訳です。

思えばこれが全てを繋いでいたんだと。

 

お話をいただいたぐらいの時点では

まだざっとした構想しか考えていなかったんですが、

この経験の浅い身の上で色々と考えを巡らせた時、

例え何を書いたとしても自分の作品に

合うのではないかと考えられたのが、

セミナーズで一緒に作品をつくってくれた女優、

寺坂光恵さんでした。

そしてこの『回帰熱』にはteam3Eに入ったばかりの甲斐文平くん、

今公演で急遽参加してくれた大西美香さんも出演されていました。

そこで観に行った後に会った寺坂さんに声をかけさせてもらい、

出演と相成ったいうことになります。

ありがたい話です。

そして自分も呼んでいただいた身の上でありながら、

我がままにも役者を伴ってまで参加させてくれた

team3Eさんには感謝に耐えません。

 

『イノナカ』について

年明けに話をもらってから、速攻で思案を開始したわけですが、

2015年初頭から自分の頭を離れなかったのが、

現在も続くIS(別称:ISIS、一時「イスラム国」とも呼ばれていた)

の問題です。フランスのシャルリーエブド襲撃から始まり、

痛ましい日本人人質事件など、ずっと頭の中にありました。

そこで自分なりに構想をめぐらせていた三人芝居を、

2月に行われた戯曲セミナー2013年度生による

第4回リーディング会に提出する予定でした。そう予定でした。

大事なことなので2回言いました。なぜ大事か?

 

結局間に合わなくて出せなかったんですね。

 

ただの言い訳、腑抜けです、ハイ。

そのために寺坂さんまで呼んだのに。

彼女は彼女でリーディングやセミナーの人たちとの交流を

楽しんでくれたのでそれはそれで良かったですが。

それと今回のテーマ「ホテルを舞台に」というのが、

思案の途中で上がってきたこともあり、

一度出来かけたものをそちらにシフトし直そうかと思いました。

がこれを1度なかったことにしました。

平成の(戯曲)破壊王の面目躍如です。

平行して行われた作家での会議で

キャストから配役の話となり、

そこで寺坂さん、甲斐くんの二人芝居をすることになりました。

 

「ホテル」という設定から

客や従業員などの登場人物、詳細な場所、場面の時という

セミナーで平田オリザさんに教わった基礎を考え、

自分の中で設定を固めました。

ここでいくつか『イノナカ』を作る上で考えたことを簡単に書きます。

(やってはいけないのかもしれないですが)

 

①「ホテル」の特性を体現する

→ホテルを客の視点から考えた際に、一時そこに泊まって時が経てば出て行く、ずっと留まらず絶えず人(客)が来てはどこかへ出て行くという特性を、世間知らずのお嬢様であるホテルのオーナーの娘(演:寺坂光恵)を使って表そうと思いました。

②内向きになりつつある志向への疑問

→個人的な感覚で、前述のISの件によってテロに過敏になったり、海外が遠くなるのではないかという懸念があり、また最近の政情やメディアに氾濫する「ニッポンって良いよね」を押し売りするような空気への疑問もありました。まさに「井の中の蛙」なのではないのかと。

③根拠がなくても何かをする

→これは完全に私的な思いです。自分自身でも演劇をやり始めてただ好きでやりたいからやっているというだけなので、何か周囲を納得させるような立派な根拠があるかといえば無い。私が演劇をやることに限らず、誰が何をするにも、もっともらしい理由がなくても行って良いこと、できることがあるのではないか、という思いを持っていました。

④『回帰熱』での繋がり

→ホテルのオーナーの娘がラストに言う台詞と振り「寂しかったらふらりとおいで」の出展は『回帰熱』です。観覧舎主宰で作、演出の杏上陽介さんが寺坂さんに振り付けをオーダーし彼女がつくったものを使いました。杏上さんは『回帰熱』を以って演劇活動を無期限停止されると聞いた時に、止むに止まれぬ事情とはいえ辞めざるを得ないのは何故だか無性に残念だなと感じて、杏上さんが書いて甲斐くんと寺坂さんの共演した『回帰熱』が片隅で生きているのを示したかったという、何やらクサい理由です。気持ち悪いですね。杏上さんとは直接面識ないのにも関わらずです。これだから俺、モテないんですね(笑)

 

ざっと言うとこんな感じです。

約15分ほど(実際は17~18分くらいでした)の枠として

纏め上げるのには四苦八苦しました。

台詞量がなかなか多く、役者には負担であり、

なおかつ終盤では稽古時間が足らず、演出も二転三転しながら、

役者陣の助言などをもらいながら、つくり上げました。

観に来ていただいた多くの方からいただいた感想から

色々課題は見えましたが、楽しんでいただけた、

または俳優の魅力を感じていただけたなら

幸いです。

今回の課題は、今後に活かしたいと思います。

 

関係者の皆様について

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今回はゲストということで、セミナーズの時とは違い

制作周りはお任せで残りで出来ることをやりました。

舞台美術もそれほど作るものも少なく、照明もシンプル、

ほとんど自分達だけでやるにはやりやすい状況ではありました。

ただ自分も照明吊れるけど手伝うほど仕事はなく、

やれることが少なかったです。

小屋入りしてからはあまり役に立ってない感があって

それでも舞台後方に設置したプロジェクターで

オープニングムービーを流す大役は任されました。

 

ただ一応時間があったので、

公演の合間を縫ってセミナーズの時もやった

卑怯で気持ち悪いことを行いました。

これについて知りたい方は

直接僕に会った時に聞いてください。

本当に卑怯で気持ち悪いです(笑)

 

ここから簡単にキャストについて御礼を。

 

寺坂光恵さん

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今回もお世話になりっぱなし。彼女の持ってる愛らしさを前回とは少し違った形で表現できていれば幸いです。舞台に限らず映像などでも、まだまだ色んな魅力を秘めていると思うので、彼女は今後確実にレベルアップしていくでしょう。自分も刺激を受けてさらにレベルアップしなくてはと感じています。またいずれ良い機会でご一緒したいなと思ってます。ありがとうございました。

 

甲斐文平くん

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team3Eの役者にしてセミナーズでも座組は一緒でしたが、寺坂さんと同じく絡みがほぼ無かったので、今回がっつりと稽古させていただきました。稽古中は演出面で提案を色々もらったり、オープニングムービーやPVをiPhoneだけで作ったり、舞台監督や稽古場の手配など細やかでしっかりした仕事ぶりに何度となく助けられました。個人的に彼が表現者として持っている思いを聴くことができたのは良かったです。ありがとうございました!

 

大西美香さん

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急遽降板した方に代わって速攻のレスポンスでご連絡をいただき、参加してもらえて一同大助かり。その持ち合わせたナチュラルで優しい魅力と、コントで見せたキャラクターとのギャップがとても素敵でした。自分も知っている凄い方のレッスンを受けられているということで、今後がさらに楽しみになってくる女優さんです。ありがとうございました!

 

高橋紗綾さん

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直接関わりはなかったですが、稽古を拝見するに「ザ・女優」さんという感じで、ONとOFFモードの切り替わりが凄いなと。普段の素と役柄が離れているほど、その凄さを体感する、そんな感じでした。稽古や本番の合間に自身の演技の出来に試案し、悩んで悔やんでいる姿がとても印象的で勉強になりました。そして今回稽古場がずっと楽しかったのは、度々宇宙と交信していた彼女のおかげかもしれません(笑)今度は是非とも自分の作品にキャスティングしたい女優さんです。ありがとうございました!

 

嶋田奈津未さん

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高橋さんと同じく直接の関わりはなかったですが、ご一緒出来て良かったです。コント『プラン』などを観ると分かるかと思いますが、本当に声が素敵。よく通るしそれでいて淀みがないのは素晴らしいなと。専門学校でミュージカルを学ばれた経験があり、歌がもの凄く上手いです。関西出身で良い声の関西弁に訛るところも素敵。自分もいつかミュージカルか歌劇をつくってご一緒したいなと思える女優さんでした!ありがとうございました!

 

矢野智之さん

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team3Eの主宰にして、作家、役者でお笑い芸人でもある矢野さんは自分より若いながら色んな経験を積まれており、稽古場でのウォーミングアップなどは時折一緒にやったりして、とても参考&勉強になりました。同時に他公演の台本提供も抱えながら、コントと演劇の2作品の作・演出やりながらもきっちり自分が舞台に立てるのは凄いなと刺激を受けました。ありがとうございました!

 

梅咲ミヤビさん

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team3Eの作家である梅咲さん、今回稽古場をご一緒してコントについての色んな演出とか自分の構想をしっかりもたれているのを折々で感じていました。また制作周りなどで素敵なチケットを作っていただいたり、事務系の作業でもしっかりと支えていただきとても頼もしくて安心して公演に臨むことができました。ありがとうございました!

 

また音響・照明を担当していただいた鈴木在人さん、

製作のお手伝いをしていただいたteam3Eの五十嵐愛さん、

声の出演をしてくれたteam3Eの板倉一季さん、

阿佐ヶ谷アートスペースプロット の小屋主の藤原さんにも

御礼申し上げます!お世話になりました!ありがとうございました!

 

終わりに

 

とりあえずと言っておきながら、もの凄く長くなりました。

長々とありがとうございました!まだまだ正直言い尽くせないです。

これからの皆さんの活躍を楽しみにしつつ、自分も頑張らなきゃなという所存です。

前回のセミナーズが終わった後はだいぶモチベーションが落ちましたが、

今回はとにかく次をどういった形でやるべきかを色々志向しているところです。

奇跡的に落ちていないモチベーション。

まずは諸々の戯曲賞に応募するために作品を書いていきます。

 

改めて演劇が何で好きになったのかと言ったら、おそらく「人」だと思います。

とにかく基本的に「人」を描くのが演劇であり、それに携わるのも「人」、

「人」と関わりそれを描いていく手段で自分が気に入ったのが、

確かに演劇なんだと思います。

そういったことに気づけたところで、

これからさらにその点を突き詰めていこうと思います。

兎に角、感謝しきれません。

ありがとうございました!