曲がり角の惑い言

曲がり角ランデブーの人で、演劇を創ったり、あれこれする。

セミナーズ2013 第二回オムニバス公演「第二の野望」終演によせて

セミナーズ2013 第二回オムニバス公演「第二の野望」

無事に終演致しました。

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参加いただいた俳優、スタッフの皆様、
ご来場いただきましたお客様、
またお気にかけていただきました皆様、
誠にありがとうございました!

 

以下、長文で支離滅裂な箇所もあるかと思います。

 

このセミナーズの話は昨年の5月に立ち上がりました。
前回の第一回公演は話を立ち上げてから本番まで
半年ないという強行だったため、
今回は早めに話が出たのは良かったと思います。
良いところもあり、それでもやっぱり課題も多々ありました。

ありすぎましたが、まぁそれはここではあえて語りません。

 

『AI(アイ)はヒトになっていつか。』という作品を書きました。

今回は個人的にとても気合が入っていました。

理由の一つは、俳優たちとの出会いです。

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昨年4月にコントユニットのteam3Eさんにお声かけいただき、
初めて脚本提供・演出として、
主宰以外の団体に参加させてもらいました。

そこで高橋紗綾さんと出会ったわけですが、
彼女とは稽古場は共にしていましたが、
作品を直接つくる関わりはありませんでした。
稽古合間の待ちに色々話したりして、
稽古中は傍らで彼女の芝居を観ていて、
思い悩みながらも苦闘して作品に、役に挑んでいる姿を見て、
この人と一緒に作品をつくってみたいなと思っていました。
team3E終演後、セミナーズの話が立ち上がってすぐ声をかけて
「早すぎる」と本人には言われましたが(笑)、
幸いに出演いただく運びとなりました。
その後も彼女が出演した舞台を何本か観ましたが、
自分の観る目は間違ってないな、と再確認してました。

実際に彼女は戯曲を繰り返し読み込み読み込み、
自分の役に限らず、戯曲の世界観など気になったことは
ひたすら何度も質問しながら、疑問を解消していく。
当たり前のことを当たり前にやっていて、
それを気持ちよく自然にできるのが高橋紗綾という俳優なんだなと。

主役で一番負担の大きい役どころでしたが、
彼女でなくては、体現できないレイがそこにいました。
計らずも我々の作品以外を目当てに来たお客様が
高橋紗綾を目に止めたという話もあり、
彼女がもっともっと色んなところで観られたらいいなと
切に願っています。またご一緒したい。

 

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team3Eの主宰である矢野さんが脚本提供された、
劇団きのこ牛乳さんの本公演を観て、
前田ちまきくんと出会いました。
きのこ牛乳さんは俳優3人の劇団ですが、
3人とも個性的で素敵な人ばかりです。
その中でも、ちまきくんは若いながらも調和が取れ、
かつ冷静な視野を持っているなという印象でした。
その後、他の客演で観てもそれが活きているように思えました。
自分自身の中では、男性の俳優の決め手が難しく感じていましたが、
そんな中でも一番やりたいなと思っていたのは彼でした。
彼の力を借りて一緒にやってみたいと。
唯一の男性ということで気持ち的に大変だったところもあるかとは思いますが、
皆を支えてしっかりやってくれたことには感謝が尽きません。

もっと今度はたくさんコミットしてやっていきたい。

 

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一昨年、戯曲セミナーを終えて劇作家協会に入って以降、
お世話になっている劇作家・演出家の吉田康一さんのユニット、
Antikame?さんの公演を昨秋観に言った際にこいけさんと出会いました。
吉田さんが前回のセミナーズなどに出演してくれた寺坂さんを気に入って
今回の本公演で起用してくれましたが、彼女を観る以上に
初めて観たこいけさんが印象的でずっと追っていました。
Antikame?の公演自体が良かったからだとは思いますが、
彼女の魅せる姿はとても艶っぽく、影もありつつ、
雨のシーンとかが素敵で目を引くなーっと。
何とか出てもらえないかと失礼ながら終演後に

お願いして出演を快諾いただきました。

素の彼女は言語感覚が独特で、飄々としているところがまた面白く素敵です。
そんな彼女が場を和ませてくれてとても良い稽古場の雰囲気が出来上がりました。
自身のグッズを持ちこんだりと自己プロデュース力も高い彼女は
これからどういった活動をしていくのか、楽しみです。

 

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昨年、セミナーの同期の方が扉座研究生公演に台本の脚色で携わることを知り、
劇場も家から近かったため、観に行きました。
予想以上に面白く、若い俳優の中にこれからが
楽しみな方がたくさんいて、その中の一人が福富朝希さんでした。
昨秋に観に行った公演に偶然出演されており、このチャンスは逃せないと、
失礼ながら終演後に初めましてのご挨拶でオファーをさせていただき、
出演いただくことになりました。
若く可愛らしい俳優ですが、芯が一本通っており、俳優としても、
一人の人間としても一番しっかりしていました。
顔合わせの時に皆に向けて「何でも言いたいことは言っていい」と言ったら、
彼女が一番発言、進言をしてくれました。もう本当に色々言ってくれましたが、
全てが有り難かったです。

2月に1本、本番を挟んでいながらも
合流して以降、稽古場を引っ張ってくれました。

特に初挑戦のダンスの面で、
振付協力の笠井里美さん(アマヤドリ)と一緒に作り、
笠井さんがいらっしゃらない時には、他のメンバーへの指導も
率先して行ってくれて非常に助かりました。
ダンス、演技とそれを踏まえた演劇に向かう姿勢を持ち合わせ、
高いポテンシャルも秘めているので
今後さらに活躍していってほしいなと思います。

 

演劇はヒトである。ヒトがつくり、たとえ登場する役がヒトでなくても
ヒトが演じる以上、ヒトに何かを伝えたり、感動を起こしたりするものが
演劇なんだと教わりました。

ちょうど今回選んだ人工知能(AI)というのも
研究が進んでいく中で「ヒトとは何か」という問いに当たり、
ヒトについての理解を再確認する機会になっているということも学びました。

異なる存在、他者を受け入れること。
受け入れるとまでいかなくても理解すること。
そういったことでヒトではない人工知能(AI)という存在が
他の種類の生物とは、また異なった意味や立ち位置を持った存在に
なっていくのではないかなと思っています。

「考え続けること」
ヒトがヒトであるがゆえの大事なことを忘れなければ、
今起きている問題も立ち向かっていけるのではないか。

そしてどんなところにでも可能性を見出せること。
ヒトが想像することは必ず実現できる。
ドラえもんのように誰かにとってかけがえのない友となる存在が
今後生まれても不思議ではない。
そんな善き明日がきたら…そんな思いを巡らせながら
作品と向き合っていました。

 

今作でお客様からいただいた感想をしっかりと受け止めて
次に繋げていきたいと思います。
またこの俳優たちとはやりたい。
それまでに劇作家としても演劇をやる人としてもレベルアップせねば。

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改めて4人の俳優、
こいけさん、高橋紗綾さん、福富朝希さん、前田ちまきくん、
振付協力の笠井里美さん、
劇中の音楽を作ってくれた蒼井カナさん、
セミナーズ公演に携わってくれた皆さんと
ご来場いただいたお客様、気にかけていただいた友人・知人の皆様に
御礼申し上げます。ありがとうございました!