曲がり角の惑い言

曲がり角ランデブーの人で、演劇を創ったり、あれこれする。

2015年【今年の30人】

【今年の30人】※50音順

青木友哉
 主な出演作:MU『少年は銃を抱く』、らまのだ『青いプロペラ』他
石井葉月(アマヤドリ)
 主な出演作:アマヤドリ『悪い冗談』『すばらしい日だ金がいる』『ジョシ』
石井双葉(アマヤドリ)
 主な出演作:アマヤドリ『悪い冗談』『すばらしい日だ金がいる』『ジョシ』
大原研二(DULL-COLORED POP)
 主な出演作:DULL-COLORED POP『夏目漱石とねこ』『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』、ミナモザ『彼らの敵 』他
岡野康弘(Mrs.Fictions)
 主な出演作:Mrs.Fictions『再生ミセスフィクションズ』、ろりえ『さようなら、どらま館』他
小沢道成(虚構の劇団)
 主な出演作:MU『少年は銃を抱く』、虚構の劇団『ホーボーズ・ソング ~スナフキンの手紙 Neo~』他
川島潤哉
 主な出演作:MCR『死んだらさすがに愛しく思え』、ドリルチョコレート『禊百景』
川瀬誠
 主な出演作:『有谷くんのオペラな日々~もうひとつの『椿姫』~』他
こいけ
 主な出演作:Antikame?『かみにフレる』
小角まや(アマヤドリ)
 主な出演作:アマヤドリ『悪い冗談』『すばらしい日だ金がいる』、EPOCHMAN『みんなの宅配便』他
菜津美(アマヤドリ)
 主な出演作:アマヤドリ『悪い冗談』『すばらしい日だ金がいる』、テノヒラサイズテノヒラサイズの人生大車輪』他
白勢未生
 主な出演作:箱庭円舞曲『必要とされている、と思う病気』『もっと美人だった』他
高橋紗綾
 主な出演作:冷たいかぼちゃスープ『;』他
田中渚
 
 主な出演作:劇団肋骨蜜柑同好会『アダムの肋骨』、有末剛緊縛夜話 第十一夜『女子校育ち呪縛篇』他
西尾友樹(劇団チョコレートケーキ)
 主な出演作:劇団チョコレートケーキ『追憶のアリラン』、ミナモザ『彼らの敵』他
春名風花
 主な出演作:あうるすぽっとプロデュース『TUSK TUSK』
平体まひろ
 主な出演作:アマヤドリ『すばらしい日だ金がいる』『紙風船
廣塚金魚(コドモノチルドレン)
 主な出演作:アマヤドリ『悪い冗談』『冒した者』、コドモノチルドレン『バファリン猫のもう半分』他
深沢未来
 主な出演作:キレイゴト。『祈り』、DULL-COLORED POP『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』他
フジタタイセイ(劇団肋骨蜜柑同好会)
 主な出演作:フジタタイセイfrom劇団肋骨蜜柑同好会『散る日本』、劇団肋骨蜜柑同好会『アダムの肋骨』『恋の手本~曾根崎心中~』他
福富朝希
 主な出演作:扉座サテライト公演『Love Love Love 18』、feblabo×シアター・ミラクルプロデュース『桜の森の満開のあとで』)
古屋敷悠(MU)
 主な出演作:MU『少年は銃を抱く』、アガリスクエンターテイメント『ナイゲン(全国版)』他
古山憲太郎(モダンスイマーズ)
 主な出演作:モダンスイマーズ『悲しみよ、消えないでくれ』
堀靖明
 主な出演作:MCR『死んだらさすがに愛しく思え』、ドリルチョコレート『禊百景』他
前田ちまき(劇団きのこ牛乳)
 主な出演作:劇団きのこ牛乳『フォーワンズライフ』『いっぽんしめじ科』『へらへら時計』他
森かなみ
 主な出演作:シンショクvol.1『vivi mimi』、平原演劇祭『秘密の花園』他
森田陽祐(ナイスコンプレックス)
 主な出演作:ナイスコンプレックス『鬼のぬけがら』『よみ人シラズ』
安井順平(イキウメ)
 主な出演作:カタルシツ『地下室の手記』『語る室』、イキウメ『聖地X』
横手慎太郎(シンクロ少女)
 主な出演作:シンクロ少女『This is 30』、栗☆兎ズ『一☆生☆心☆友』他
林遊眠(劇団ショウダウン)
 主な出演作:『マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015』、『パイドパイパー』他

2015年【今年好きだった10本】

【今年好きだった10本】※観た順でランク分けはありません。

①劇団ショウダウン『マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015』

前年の初演を観れず泣く泣く諦めたら、
池袋演劇祭で大賞を取って凱旋公演。
実在の海賊、サミュエル・ベラミーが海賊となり
自由を得るための短い冒険を描いたファンタジー活劇を
一人芝居で、というにはあまりにもハードだけど、
それを飽きさせず見せる林遊眠さんの凄まじさと
愛らしさに魅了される。

②シンクロ少女『This is 30』

とにかく30過ぎの三兄弟のキャラクターと
絶妙なおかしさが堪らない。
本当に笑えたし、観てよかったし、
今年に限らず長きに渡って好きだと思える作品。

③ホチキス『砂利塚アンリミテッド』

再演だけれども王道でありつつ、ちゃんと笑わせてくれて、
何も考えずとも頭から最後まで楽しめる。
ハリウッド映画にある王道のコメディ映画に通じる
純粋のエンタメコメディ。
キャラクターの作り方も面白い。

④劇団5454(ランドリー)『ト音』

一昨年の新人戯曲賞の最終候補に残った作品。
戯曲を読んで面白いなと思えたし、実際に観て
さらに面白いと思えたし、舞台の造りや演出も良いなと。

⑤ミナモザ『彼らの敵』

20数年前の話を題材にしているのに、
つい最近のことにも繋がるような、
日本の報道やメディアの問題に対して
訴えかけてくる強烈なメッセージと
俳優が生み出す熱量と世界観がもの凄かった。

⑥アトリエばんが『スピンオフ~昨日の少女は畳で牛になる~』

まだ夏の暑さが残る古民家で観た公演。
魔法少女(美少女ヒロイン)のその後を描いたコメディー。
古民家という舞台が醸し出すリアリティと
ヒロイン物のギャップがシュールで面白かった。

⑦柿喰う客『天邪鬼』

ザ・演劇であり、
想像力を刺激するのと圧倒的なフィクションが健在で、
とにかく濃密でした。
劇団員のみで俳優一人ひとりのパワーが
尋常じゃないのを感じた。

扉座『いとしの儚』

昔話のようなファンタジーにも思えたり、
舞台、世界観がとにかく美しくて素晴らしかった。
侍が出てこないこういった時代劇は
演劇でやるにはもってこいなのかもしれない。

⑨feblabo×シアターミラクルプロデュース『桜の森の満開のあとで』

会議モノを今年も何作品か観て
言葉の応酬や台詞の魅力が出るのが
大きな特徴だけれども、
それだけでなく交わされるテーマ自体にも
とても興味と関心を寄せて観れたなと。

⑩アマヤドリ冬のみちくさ公演『ジョシ』『紙風船』『うそつき』

『ジョシ』は広田さんの戯曲ならではのモノローグの魅力と俳優のパワー、
紙風船』は現代に通じる戯曲の良さと奇抜で飽きさせない演出、
『うそつき』は4人のバランスが醸し出す世界観が素敵。

2015年【今年のもう10本】

【今年のもう10本】※観た順で個別のランク分けはありません。

扉座サテライト公演『Love Love Love 18』

昨年初めて扉座の作品を観て、今度は若い研究生の公演。
これが作品も俳優も粗っぽいけれど、
みずみずしく尋常じゃないエネルギーが込められてて
観劇後の爽快感は間違いなく今年一番でした。

②Mrs.Fictions『再生ミセスフィクションズ』

Mrs.Fictions過去に上演した短編をオムニバス形式で。
どの作品も違った魅力にあふれていながら、
Mrs.Fictionsが出す戯曲の面白さが伝わってくる。
「お父さんは若年性健忘症」と「東京へつれてって」は特に好き。

③DULL-COLORED POP『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』

DULL-COLORED POPという劇団を最初に観たのが、この作品の初演。
数年経て一部キャストが変わっても、
巧みな戯曲、俳優の魅力は増していく。
劇場が変わってまた演出などが変わったりすると
新鮮さを失わずに更新して生き続けていき、
上演される度にちょっとした棘(褒め言葉です)を食らう作品。

④虚構の劇団『ホーボーズ・ソング HOBO’S SONG ~スナフキンの手紙 Neo~』

この題材を清々しくやりきっている鴻上さんの凄さに感服。
ちょうど年末にも似た題材で劇団チョコレートケーキが公演をしていたけれど、
自国や周辺が騒がしくなっている中で、
やりたいこととしてきっちりと、
しかも若い俳優がエンタメとして躍動している姿が楽しいし、胸を打つ。

⑤アマヤドリ『すばらしい日だ金がいる』

吉祥寺シアターを四面から観る形にして
舞台面を小さめにとっているのも新鮮でした。
現代の病「鬱病」についてのアプローチを試みて
色々と考えさせられた。
主演の笠井里美さんにはとにかく魅せられたな。
ラストの群舞が個人的には今までの中でも好き。

⑥フジタタイセイ from 劇団肋骨蜜柑同好会『散る日本』(板橋ビューネAプログラム)

坂口安吾が書いた将棋の名人戦のエッセイを
俳優の体をやたら酷使して描いた演出が見事で
スリリングな対局の行方と
それを見届ける「私」に引き込まれた。

アガリスクエンターテイメント『ナイゲン(全国版)』

アガリスクエンターテイメントが上演する最後にして、
個人的には初めて観る『ナイゲン』。
高校の文化祭の出し物を決める
内容限定会議=ナイゲンを舞台にした作品。
会議モノだけれども、高校生であるということで
大人顔負けの意見交換もあれば、
論拠に未熟なところのバランスが良い。

⑧Antikame?『かみにフレる』

終電が終わった深夜に起こる一夜の話。
各登場人物たちの噛み合わないような言葉遊びの会話が
繋がっているようで繋がりきれてない、
それとも繋がりたいのか繋がれないのか、
一見もの悲しいのかなと思われるところにも
とても優しく心地良く何かを思う作品。

ナイロン100℃『消失』

いつかの時代のどこかの国で、
兄弟の家を舞台にした一場劇。
色んな登場人物(基本的に善人)が絡み合いながら、
だんだんと不協和音が起こり、
真実、本性が露わになっていく様が凄い。

パラドックス定数『東京裁判

大東亜戦争(太平洋戦争)での日本敗戦後、
極東国際軍事裁判東京裁判における
日本の弁護団を描いた作品。
圧倒的に不利な状況下でも
被告となった戦犯28名を救うため、
個人的な思想や心情を抱えつつも
たった5名で相手方へ挑んでいく、
言葉の戦いに酔いしれた。

2015年【今年の10本】

演劇評論家の扇田昭彦さんが今年亡くなられた。

ちょうど2013年、戯曲セミナーに通っていたときに
講師として来られていた。
通常は劇作家が講師なのだが、劇作家とは違う
「演劇を観る者」としての視点を優しく解説していただいた
記憶がまだ残っている。

演劇をまだまだ知らない中で
紹介いただいた作品の戯曲を必死に探して買った。

お別れ会に参列して、今度は空の上から
満遍なく世界中の演劇を観られるのかな、などと考えたら、
来年のセミナーズもどこかで目にしてもらえるのかもと
思いながら。

扇田さんではないけれど、
演劇を愛する一人として今年144作品、150回観た。
正直観すぎだなー(笑)来年以降は考えよう。

そこで今年観た中で、
選りすぐりで唸った【今年の10本】
それに引き続くくらい良かった【今年のもう10本】
そういったもの度外視で好みだった【今年の好きだった10本】
印象に残った俳優さんたち【今年の20人】【これから注目したい】
を順に書こうと思う。

批判や意見は歓迎、個別に頂ければと思います。

まずは、

 

2015年【今年の10本】※上演順で個別のランク分けはありません。

①ナイスコンプレックス『鬼のぬけがら』

東日本大震災による津波被害を受けた宮城県
荒浜地区を舞台に震災を経た東北の現状と
寓話を織り交ぜて濃密に見せてくれた。
被災者の扱いが決して
他人事だと思わせない視点と表し方、
虚実が混ざるように思えた凄い世界観が
胸に迫ってきました。

②モダンスイマーズ『悲しみよ、消えないでくれ』

まさに慟哭の芝居。
タイトルが潜在的に持つ意味が
難しくないようでいて深いこと深いこと。
客観的に見たら情けない話でもあるけれど、
主人公と周囲の人同士の関係性、
人がいなくなることに対しての考え方、
スタンスの違いがしっかり描かれており、
鳥肌モノでした。

③イキウメ『聖地X』

SFというジャンルで、
色んな見せ方を駆使してとにかく巧みだし、
それでいてコメディとしてのユーモアも十分で、
あらゆる面で興味も満たされ楽しませてくれた。
映像だけではない舞台だからできるSFを観たなと。

④KAKUTA『ひとよ』

破天荒なんだけど愛があって憎めない人々が出てくる、
KAKUTAが描く「人」がとても魅力的だし、
突拍子が無いことが起きても
作品全体で上手く補完したり、笑いに変えたりと
観てて飽きないのは流石。

⑤ままごと『わが星』

まずもって反則に近い(個人的な褒め言葉としてです)
劇場の作り方からして圧倒的な世界観と、
独特で目も耳もフル活用する戯曲。
ラップのリズムからして心地よい宇宙を感じさせる、
何度も再演するのが頷けるし、
老若男女問わず薦められる作品だと思った。

⑥冷たいかぼちゃスープ『;』

演劇あるある、劇団あるあるな話だけど、
初め同情していた主宰の主人公に次第に同情できなくなる構図、
劇団員の視点を次々に追っていく構成が巧みで
各キャラクターも熱がこもっていたり
真に迫ってきたりしたし、本当に面白かった。

⑦ドリルチョコレート『禊百景』

個人的に観劇時の体調が不良な中でも、
おそらく今年一番笑わせてくれた作品。
テレビで手軽に流れるお笑いなんかよりも遥かに面白く
良い意味でくだらないし、クズな人々が出てくる話が
とにもかくにもイイ。

⑧ITOH COMPANY『サヨナラサイキックオーケストラ』

作品の持つ空気感や世界観も好みだし、
終末の世界でも日常が続くシュールさと
キャラクターたちの魅力が上手い具合に
絡んでいて絶妙でした。
映画にも起こせそうだけど
演劇だからここまで出来るのではないかと。

⑨あうるすぽっとプロデュース『TUSK TUSK』

未成年の若い役者だけでほとんどを観せるという挑戦が
万事成功していると言える彼ら熱演と
その先見性のあるポリー・ステナムさんの戯曲と
谷賢一さんのポップかつエッジの効いた演出で
子供を取り巻く痛いくらいの現状が見せつけられた、
心がヒリヒリする作品。

⑩3.14ch『7 1/2(ナナトニブンノイチ)』

バーという狭小な空間にSFとかロマンス(エロあり)とか
一緒くたに交わる異次元さが圧倒的な世界だった。
見せ方も色々こだわっていたり、バーならではの演出もあり、
スリリングで猥雑な構成も印象的だった。

気がついたら

あと40日ですね。

何がって2015年です。ひーってなります。

もう早いとか今言っちゃったけど、

 

今年、今のところ(何か「今」が多いな)

118

観すぎです、はっきり言って。

当然その中には思わぬ良き出会いもあり、

反対に外れを引くこともあります。

 

けど来年は減ると思います。

3月にまずセミナーズの第二回オムニバス公演があるから。

今年春のteam3Eさんは外部参加だったので、

公演の制作とかあれこれをそんなに気にせずやれたんですが、

自分たちだとやることが多い。

 

それに可処分所得も増えない一方ですから、

あるところでは「観劇オジサン」みたいに言われてますが、

年齢はオジサンでも、今の「観劇オジサン」のレベルには

到底辿り着けないだろうから、凄いと思ってます。

 

ある程度目標があったりするので、それらを成し遂げたら

そこが自分の潮時かもしれません。

もの悲しいように聞こえますが、実際、意外とポジティブです(笑)

ただ変な執着を失くしていっているのかもしれないですね。

 

とにかく来春に向けて懸命にやるのみです。

AmayAdori Studio Performance“雨天決行”season.5『冒した者』/『ウィンドミル・ベイビー』

『冒した者』

劇作家、三好十郎が1952年に発表した作品。

三好十郎本人が『冒した者』についてこう語っている。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001311/files/50254_35025.html

なかなか一般的な理解がしづらい作品かとは思う。

終戦後、まだ焦土の爪痕が残る東京郊外に建つ、
塔と地下室附きの三階建ての屋敷に住む5つ家族、のべ9名。
特に大きな問題もなく、傍目から見るとむしろ良い関係性で
成り立って生活していた。
ある日、私(深谷由梨香)を慕っている
須永(小角まや)が訪ねてくると…。

血やそれほど強い繋がりがあるわけではないが、
それでも意外と上手く関係していた者たちの中へ、
異質な存在が入り込むことで、
各々が抱えているモノが浮かび上げられていく。

明確な根拠のない恐れや不安から来る憶測・思い込みから、
信じていた者が疑わしく見え、
それまでの関係を保持できなくなっていく。

当時の状況以上にこの2015年の今に響くように感じられ、
もしや今は、この作品の時代感に近いものがあるのか、
と感じてしまうほど。

若い役者でもこの重層的で、
なかなか捉えどころが難しいものが
しっかり表現されていた。

アマヤドリは体を使って表現するのに長けている劇団だけど、
今回は台詞が躍動し、関係させていたと思った。

ウィンドミル・ベイビー』

オーストラリアのアボリジニの作家、デービッド・ミルロイが書いた、
アボリジニの老婆の昔語りの一人芝居。

演じるはアマヤドリの前身、ひょっとこ乱舞からの創設メンバーである
中村早香さん。

西オーストラリア北部のとある牧場に
50年を経てやってくるアボリジニの老女・メイメイ。
そこでかつて洗濯女として働いていた過去を振り返る。

中村早香さんから出てくるメイメイをはじめとする
登場人物たちがもう魅力的で魅力的で。
一人の身体から演じられているのか、と素直に思うほど
活き活きと楽しく、ときに哀しく生きる登場人物たちがそこにいた。

メイメイのチャーミングさ、彼女の夫マルバーンのおかしさ、
アボリジニの庭師ワンマンの純粋さ等々
もう寂れた今の牧場から一気に50年遡って
そこでかつて生きていた人たちと広大な牧場の様子が
ありありと見られるようだった。素晴らしい。

次の一手

兎にも角にも、また次回の予定が大まかに決まり動き出す。

我々は同志であり、
一般企業のような慣れ合いの集団ではない。
だから積極的にぶつかっていく。

それぞれがやりたいこと、やるべきだと思うことを伝え、
現実と照らし合わせて、何とか実現させたいこと、
今回は諦めること、いずれかから選び取ることを決める。

若輩者でありながら、
ある部分で言いたい放題になったところもあったが、
自分が伝えられることは伝えたと思うし、
それでも決めるものは決めることができた。

以前は何か自分が抱える思いを伝えたいといったことが
演劇をやるエネルギーになっていたけど、
今は何らかの思想信条を伝えるよりも、
面白いと思えるもの、思ってもらえるものを
素直に伝えたいという思いに変わってきてる。

それは当たり前だけど、
やっと分かったというか、
まだ模索しながらも動いている。


演劇をやる側に立ってみて感じたことは
他の世界と同様にある場面では、
つまらない柵や決まりごとのようなものが、
可能性を塞ぐ傾向があるように思える。

まだ染まりきってないうちに
自由な発想を保持しながら、
可能性の枠を広げていければと思う。

 

批判を恐れず、
見えないものや目が行きにくいところ、
誰もが見過ごしがちなことを、
役者の言葉や体を借り受けて、
伝えられるように。

あとは演劇を観る側としての視点を失わないこと。
上演はお客様あってこそ。
ただ平身低頭するわけではなく
お客様の興味・関心を引きつけて
それ以上のもので応えられるように。


当面はまた観劇おじさんしながら、
次の2つの戯曲賞への応募のため、地道に書く。

「日本の劇」戯曲賞2015
http://www.gekidankyo.or.jp/gikyoku/2015/2015_02.html

日本劇作家協会 新人戯曲賞
http://www.jpwa.org/main/drama-award

ただこれも一つの挑戦であって、
賞がなくても演劇はできる。